滝澤ベニヤ株式会社(芦別市)
・1936年設立
・従業員54名
・合板・単板製造業
・https://www.takizawaveneer.co.jp/
同社では、新たな商品としてペーパーウッドなどの小物やインテリア製品の企画販売に取り組み、海外市場を中心に展開してきました。2016年から海外で行われる展示商談会に積極的に出展し、ニューヨーク近代美術館などのミュージアムショップを中心に販路を拡げてきました。しかし、コロナの感染拡大を受けて、2020年には海外の展示会が中止となり、インテリア製品の輸出は約20%減少しました。
海外との商談機会を確保するため、2020年と2021年にジェトロ主催のオンライン商談会に参加し、アメリカとフランスのバイヤーと商談を行いました。オンライン商談会を通じて販路を拡大したことで、2021年にはアメリカを中心に輸出額が回復しました。アメリカでは、高額のプレゼントを買う時にミュージアムショップやセレクトショップで選ぶ傾向があるので、そうしたニーズをターゲットにしています。オンライン商談会に参加するメリットは、出展に伴うコストと時間を節約できることと、商品に興味を持った人とのみ商談するので、リアルの商談会よりも成約率が高いことです。
また、コロナがもたらしたウッドショックにより、ロシアや中国から輸入している原木が入りづらくなっており、国産材の活用が求められるようになってきました。そこで、現在使用していない樹種を使った商品提案にも力を入れ、将来的には国産材100パーセントを目指したいと考えています。
アメリカ市場はオンライン商談でも一定の成果が出ているので、今後もオンラインを中心に商談を進める予定です。一方、インテリア製品等の市場として新しく開拓していく台湾・香港・シンガポール・ドバイなどでは、現地に赴いて商談しバイヤーの反応や評価を得たいと考えています。
これから本格的に展開する国内市場では、市販品ではなく企業の記念品などノベルティ市場を狙う予定です。
また、工場では、木材を研磨機にかけると大量の木粉が発生します。この木粉を活用した3Dプリンター用加工材料の研究開発に参画して、廃棄される木材の有効活用に取り組んでいます。
木材産業は衰退産業と思われがちですが、環境産業と組み合わせることで多様な展開が可能です。当社では、SDGsが提唱される前から環境に配慮した取組を続けてきました。さらに、インテリア製品など、住宅・家具以外の木材の新しい価値を広める商品展開にも取り組んでいます。
このような取組を通じて木材産業の地位や印象を高めていきたいと考えています。