株式会社高橋工業(別海町)
・1956年設立
・従業員12名
・空気調和設備工事、給排水衛生設備工事、防災設備工事、建物施設メンテナンス・保守点検
・http://www.takahashi-kougyou.com/
同社は、建設工事の発注減少に伴い、設備工事関係の受注件数が減少し、売上も落ち込みました。また、ウッドショック(木材不足、輸入価格の急上昇)や原材料の高騰、原油価格の上昇による輸送コスト増も重なり、厳しい状況が続いています。
同社では、酪農地帯で働く人たちのQOL(生活の質)向上を第一の目的として、2019年からコンテナハウス「スムノア」を新事業として着手しました。スムノアは、コンテナの中にバスやトイレ、キッチンなどを備えた運搬可能な住宅で、災害時の仮設住宅や宿泊施設としても対応が可能であることから、自治体と防災協定を締結し、導入が進みました。
コロナ禍では、地元の農業従事者だけでなく、他地域の事業者からの問合せも急増しました。さらに、アウトドアとサウナブームの到来も相まって、2021年12月、スムノアの技術を応用した「コンテナサウナ」を別海町内のキャンプ場に設置するなど、事業を拡大しています。
同社では、2022年10月、中標津町内に14棟のコンテナハウスからなる「コンテナホテル」の開業を予定しています。コロナ禍で注目されている「非対面・非接触」であるほか、一般的な住宅のように骨組みから作る必要がないことから、人手不足が叫ばれる建設業界においても省人化・省力化につながり、建設コストも大幅に抑えることができます。コンテナホテルも運搬が可能で、災害時の活用も見込まれることから、髙橋社長が「災害時の不安な時間を少しでも安心して過ごせるような施設を人々に提供したい」と語るように、コンテナホテルが地域を守ることにもつなげたいとしています。
当社にとって、コロナは、これまでの取組を振り返り、新たなビジネスを考察する契機となりました。地方では、労働力不足や過疎化が深刻な問題となっていますが、地方の市街地に住環境を整えることが、結果的に人口流出を止めるキッカケになるのではないでしょうか。
当社では、これからも「地域に人が残る仕掛けづくり」を積極的に行い、ビジネスチャンスにつなげられるような取組を行っていきます。