新しいワーケーションのあり方「保育園留学」

保育園留学推進協議会(厚沢部町)

認定こども保育園「はぜる」

・2022年設立
・構成員数8団体(事務局:厚沢部町政策推進課)
・保育園留学事業
https://hoikuen-ryugaku.com/

農産物需要回復のためオンラインイベントに参加

 キャベツやグリーンアスパラなどの農産物の需要額が減少していることから農産物の積極的な販売促進が必要なこと、また、厚沢部町発祥の馬鈴薯「あっさぶメークイン」のPR活動を行う必要もあったことから、町は、食のPR事業に取り組んでいる㈱キッチハイク(本社:東京)が企画する「ふるさと食体験」イベントへ参加し、厚沢部町の農作物PRを行いました。

 このふるさと食体験はコロナ禍においても参加可能なオンラインを活用したイベントであったため、効果的にPRを行うことができました。

「ワーケーション+保育園」を組み合わせた新たな取組

 この「ふるさと食体験」がきっかけで同町と同社が出会い、その後同社の山本社長が現地を訪れたところ、豊かな自然環境と豊富な食資源を有するこの地域の虜になり、自分の子どもを認定こども園「はぜる」に通わせながら、夫婦でワーケーションを始めました。

 山本社長は、実際に同町での暮らしを体験し、この画期的な「ワーケーション+保育園」の良さをさらに広めようと、202111月に官民連携による「保育園留学」プロジェクトを開始しました。保育園留学は、町外から人を呼び込むことができ、関係人口の増加にもつながることから、町も全面的にバックアップ。そして、2022年4月に商工会などを加えた8団体によって協議会を設立し、保育園留学の募集を開始したところ、ワーケーションや移住定住(ちょっと暮らし)に関心の高い首都圏在住の家族から注目を集め、上期(4~9月)の予約はすぐに埋まり、キャンセル待ちが出るほどの人気となっています。キーワードは、「これまでにない新たなワーケーション」です。

 

保育園留学がもたらす波及効果の大きさと受入体制の更なる強化

 協議会では、保育園留学を通じて、同町での暮らしを実際に体験してもらうことで、家族全員にとって特別な思い入れのある地域になることに加え、子どもを含む家族と町との超長期的な関係性を構築し、地域経済の発展や関係人口の創出、さらには子育て世代の移住・定住の促進にもつながることを期待しています。

 実際に、保育園留学で訪れた家族からは、高い評価を得ており、既にリピーターも出始めています。今後は、住宅の戸数を増やすなど、地域の受入体制を更に充実させていきます。

移住体験(ちょっと暮らし)
(左)厚沢部町役場 木口 孝志 様  (右)(株)キッチハイク 山本 雅也 様

協議会からひとこと

 保育園留学は、保育園+移住体験(ちょっと暮らし)+ワーケーションと、町にあった既存の取組(パーツ)を上手く組み合わせ、パッケージ化したことで実現しました。

 コロナ禍における地域づくりのモデルケースとなるべく、今後もこのパッケージの充実化を図ります。

2022年6月 9日取材

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