コロナ禍で事業転換 ~居酒屋からレストランへ~

有限会社さと水(江差町)

レストラン Satomi

・2001年設立
・従業員3名
・レストラン事業
https://www.satomiweb.com/

居酒屋の売上が激減しテイクアウトでのカバーも不充分

 同店は、江差町内で20年間居酒屋を経営してきましたが、コロナ以降客足が遠のき、さらには休業・時短営業等によって売上は大きく減少しました。このため、テイクアウト&デリバリー専用のメニューを準備し、イートイン以外での料理提供をスタート。当初はまずまずの売上が確保できましたが、減少した売上をカバーするほどには至らず、先々の経営に不安を抱えていました。

居酒屋からレストランへ業態を変更

 同店では、店舗の老朽化などもあって、コロナ前から移転の構想はありましたが、コロナ禍となって飲酒目的を中心とした業態を再検討し、2021年、新店舗への移転に伴い、国の補助事業を利用して居酒屋からレストランへ事業転換しました。

 レストランでは、特別な日の「コースメニュー」に加え、これまで培った「創作和食」の技術と「地場食材の仕入れルート」を生かした「創作和洋食アラカルト料理」を展開。食事だけでも、また、料理に合う酒類も用意しビストロのような楽しみ方ができるようにしたほか、檜山振興局のサポートにより、横浜の有名パティシエを招へいして食事に合うデザートを開発。試行錯誤の上、ベイクドチーズケーキやガトーショコラなどの新商品が完成し、来店客からも好評です。

 

「レストラン Satomi」としてのブランドを広めたい

 旬の地元食材を使った美味しい料理を食べてもらいたい、記念日に普段とは一味違った料理を食べてもらいたいとの思いから、コースメニューや和洋創作アラカルト料理を用意しています。

 同店は、食事の提供をメインにしていることから、かつては実施していた酒類の飲み放題プランを提供していません。佐藤店主は、「料理をしっかりと味わってもらいたいというのが一番の思い。酒類中心から料理中心の店への転換を意識したサービスの提供を行っていきたい。また、飲み放題プランがセットされていた時の食べ残しなどのフードロスも防いでいきたい。」と熱く語ります。

 同店では、今後も新しい商品づくりを積極的に行い、地元江差でしか味わえない食の提供にこだわりを持ち、SNS等を活用して情報発信を行いながら「レストラン Satomi」のブランドを広めていきます。

ベニズワイ蟹コロッケ
店主 佐藤 伸喜 様

企業からひとこと

 コロナ禍に翻弄された中での業態転換でしたが、居酒屋とレストランでは違う経営のノウハウが必要であるため、開業の前後は知人や家族に知恵を求め、一つ一つの課題をクリアしてきました。現在は、居酒屋を営んでいたときと比べて宴会・会食需要が激減し、売上も回復はしておらず、業態転換が成功したとは言い難い状況です。

 世の中の生活様式が変化し、需要が変わったことを踏まえての「新しい飲食モデル」を模索し「withコロナの新しい飲食スタイル」を作り集客改善を目指します。これからも地元の食材を使った料理を多くのお客さんに提供し、喜びと感動を提供できるレストランでありたいと思います。

2022年6月10日取材

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